松井派の極真空手は初段(黒帯)まで何年かかる?元指導員が解説

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フルコンタクト空手

自分は、幼少期から極真空手を習い、20代は、現役選手兼指導員として稽古漬けの毎日でした。

私が所属していた道場は、極真空手(松井派)であり、フルコンタクト(直接打撃制)空手です。

指導をしていましたので、帯も黒帯(初段)を締めておりました。

空手をやり始める方で始めるきっかけはいろいろあると思いますが、最初の目標は黒帯の取得を目指すのではないでしょうか。

黒帯(初段)を取得して初めて、空手家と言えるのではないかと思っております。

今回は、私の知人で元指導員(極真空手松井派)の方に、黒帯所得までの道のり(何年かかるか)などを、彼の経験と知識を意識しながら、書いていただきました。

極真空手の昇級、昇段の参考になれば、嬉しく思います。

最初に、取得するのにかかる年月についてですね。

何年で取得できるのか

一般的には、5年~8年くらいで取得できるのが、目安ですね。

上記の数字はあくまでも参考ですので、所属道場の審査の回数や審査方針によっても当然変わりますので、注意願います。

私の所属道場では、黒帯になるための昇段審査を受けるまでの年月は他の同じ松井派の道場と比較しても厳しくて最低10年はかかっておりました。

道場によっては、稽古日数や大会の実績があると級が上がる道場もあり、私の所属道場のように道場生の見本となる人間性も兼ね備えないと昇段審査を受審できないという道場もありますので、注意してくださいね。

少年部(小学6年生までの道場生の総称)でも黒帯を取得している生徒も全国的には、まだ少数ですが造回稽古にあるのも事実です。

稽古日数は当然ながら、試合や合宿などのイベントも全参加していれば、審査を小気味よく受審し黒帯取得といった場合もありますから。

この黒帯はあくまで「少年部の黒帯」ですから、一般部に上がった際は新たに昇級審査を受審し、その生徒に合った級になります。

補足ですが、白帯から始めた場合、黒帯までは以下のような帯色(級)となっております。

無級→白帯
10級→オレンジ帯
9級→オレンジ帯に1本線
8級→青帯
7級→青帯に1本線
6級→黄帯
5級→黄帯に1本線
4級→緑帯
3級→緑帯に1本線
2級→茶帯
1級→茶帯に1本線
初段→黒帯に1本線(段位に合わせて本数が増えていき、二段なら2本線です)

初めての方は、無級から始まり審査を受けると、10級に昇級をしていきます。

他流派で空手をしていた経験者やセンスのいい方は、飛び級と言って無級から9級や8級など飛んで合格する場合もあります。

また、逆に茶帯に受審する時や黒帯に受審するときは、それに見合わないレベルであれば、保留となり、昇級や昇段できない場合もあります。

  

『昇級審査』や『昇段審査』とは

『昇級審査』や『昇段審査』の言葉が出ておりますが、この「審査」とは帯の級(色)を変えるための試験のことを言います。

この『審査』は道場によって違いますが、『昇級審査』は3~4回/年で『昇段審査』は1~2回/年と決められております。

道場によってはそれ以下の回数やそれ以上の道場もあるかもしれません。

私の所属道場では、昇級審査は年3回(四か月に一度)で、昇段審査に至っては年1回行われておりました。

基本的には、各道場責任者(指導員)が受審を認めた方が受審をできます。

しっかりと稽古に出ていないと受審できません。

また、4級以上は1度審査会を受審して、次の審査会を連続で受審できない暗黙ルールもあります。

審査費用は、昇級審査も昇段審査も共通で1万円です。

結構高いですよね。

それでは、次は審査のお話です。

審査会の内容は

  1. 筆記試験
  2. 基本稽古の審査
  3. 移動稽古の審査
  4. 補強&柔軟の審査
  5. 型の審査
  6. 組手の審査

1.筆記試験

最初に筆記試験があります。

審査には筆記試験があり、少年部と一般部でも違いますし、各道場でも内容も異なります。

少年部では技の名前を問う問題、道場訓を全部書く問題まであり、帯や年齢によって異なります。

一般部では道場訓や大山総裁の座右の銘など帯が上がるにつれて難易度も上がってきますから注意。

漢字で書くのは、もちろんですし、黒帯を目指すのですから、空手に関する名言や知識を知っていることは必須ですね。

道場訓や技の名前などは、普段使っている言葉を書くのは、誤差があったりして案外難しいです。

道場生で道場訓は7つあるのですが、順番がぐちゃぐちゃになっている方もたくさんおられます。

稽古終わりに道場訓の復唱をみんなで言っているはずなのですが、覚えられないんですよね。

ですから、普段から覚える練習をしないといけませんよね。

2.基本稽古の審査

次は基本稽古のテストです。

普段、稽古で行っている基本稽古(手技、受け、足技)は、空手の基礎で、もっとも大切な動きです。

審査では、サンチン立ちや拳がきちんと握れているか、各動作の正確性や動きの速さやキレなどを見ていきます。

ですが、ここで上手く見せようとしても逆効果なんですよね。

日々の稽古でどれだけ技を意識して動いているか、全力で行っているか、相手を想定して稽古しているかなど、積み重ねてきたものが審査で出ますんどえ、当日の審査だけ一生懸命にやっても、師範や指導員の先生には、見透かされてしまいます。

ですから、日々の稽古からしっかりと意識をもって稽古をすることが本当に大切なんです!

因みにですが、指導員は複数いる道場もありますから、指導員の先生によって多少の動きの誤差と言うか癖があり、

その癖を生徒がそのまま覚えていて、審査でその動きをして、師範が審査を途中で止める場面もありました。

審査後に、指導員の先生が師範に激怒され、自分も気をつけなければと反省したこともありました。

やはり、指導員として気合を入れ直した瞬間でした。

3.移動稽古の審査

次は移動稽古です。

基本稽古では、移動しないでその場で立ち動いていきますが、移動稽古とは、その動作を移動しながら行います。

移動稽古では、すり足での動きや組み合わされた動作などが多く、その場で言われた動きを行うなど応用も必要です。

また、昇段審査では、移動稽古は回転をしながらの動きもおありますので、さらに難易度が高いです。

審査時に、普段とは違う動作を指示された時、受審者の多くは、間違えてしまう傾向にあるようですね。

また、稽古と同じくらいの移動稽古を審査時にやるといつもよりはりきっているのか、力んでいるのか、審査終了後にぐったり疲れている方も多く見られます。

共通するのは、審査なので、緊張しているからなんですよ。

ですから、普段の稽古から、審査を見据えて、時には仲間に移動稽古を見てもらって、アドバイスを受ける練習も必要です。

4.補強・柔軟の審査

次は、柔軟と補強運動です。

通常稽古で補強運動やストレッチは必ず行っているハズ。

審査では、拳立て伏せとスクワット(少年部はバービージャンプ)が課題です。(各支部によっては違うかもしれません)

必要回数は、最低30回で昇段審査では100回が課題です。

逆立ちのテストもあり、30秒から1分間逆立ちできないといけないんです。

昇段審査の場合は、倒立歩行が必須です。

これは、壮年にはハードルが高いですよね。

柔軟(ストレッチ)では開脚状態でどれだけ上半身を床にをつけられるかが判断ポイントです。

開脚も90度の開脚ではダメで、理想は180度開脚で、上半身が床にベターっと付くのが理想です。

身体は柔らかい方がケガもし難いですので、日々風呂上りにストレッチを心がけてください。

5.型の審査

次は型になります。

型の審査は、帯ごとに分かれ行いますが、受審者が少ないと茶帯と緑帯が同時に審査を受けたり、青帯と橙帯が一緒に受けたりします。

課題は以下の通りです。

  • 白帯(無級):太極Ⅰ・太極Ⅱ・足技太極Ⅰ
  • オレンジ帯(10・9級):太極Ⅲ・足技太極Ⅱ・足技太極Ⅲ
  • 青帯(8・7級):平安Ⅰ・平安Ⅱ
  • 黄帯(6・5級):平安Ⅲ・安三
  • 緑帯(4・3級):平安Ⅳ・平安Ⅴ・撃砕小・撃砕大・突きの型
  • 茶帯(2・1級):平安Ⅰ~平安Ⅴの裏・最破
  • 黒帯(初段以上):臥龍・観空・十八・五十四歩など

最初は20号令(20挙動)で単純動作で覚え易い型が多いですが、級が上がるにつれて号令数や動作も複雑になり難しくなっていきます。

型を間違わずに行うことが一番大切ですから、日々の稽古でしっかりと覚えておいてください。

特に壮年部などの年配の方は、覚えるの一苦労ですので、稽古後に、仲間と居残り型稽古の自主練習をすることをお勧めします。

昇級して帯が上がっていきますと覚えないといけない型の量も増えます。

審査時に、指定された型と全く違う型を行った人がたのですが、臆することなく、やっていたので、失格にはならずやり直しの処置をとったことがります。

自信満々でしたから、皆笑っていました。

みなさんは、型の名前の聞き間違えは、注意してくださいね。

6.組手の審査

最後の審査は組手です。

組手の審査は道場によって違いますが、1分で、勝敗をつけます。

帯によっては組手の回数も変わります。因みに茶帯の昇級審査は、5人組手です。

昇段審査では10人組手(10人の相手と組手)を行います。

1人1分で10人と連続して組手を行うのですが、相手の攻撃に対してディフェンスを行い、自分の攻撃もきっちり行い、最後まであきらめずに行えるかを審査します。

連続組手は過酷で残酷ですが、やりきると達成感と感動で気持ち良い気分になれます。

昇段審査の際に、10人組手のラストは、グロッキー状態になってしまいます。

いわゆる人間サンドバッグです。

最後、仲間から叱咤激励され、自分を奮い立たせ、気力を振り絞り動けるかどうかが、昇段できるかor保留の分岐点になります。

そこで動き切った時の達成感と周りからの拍手はとても清々しく気持ちがいいですし、恋人や奥さんや家族が見に来ていたら、感動の嵐で、家族全員号泣です。

空手を行っていて、体験をしてほしい場面です。

10人組手の時、10人ほど猛者が選ばれますが、昇段審査を受審する受審者の同じ道場生や指導員などで構成されるのですが、息子が受審する時に組手の相手がオヤジさんが選ばれていた時がありましたが、それは感動ものですよ。

オヤジさんは、組手後に泣いていましたからね。

最後に

いかかでしたでしょうか?

他流派の空手道場では、1年で取得できるところもありますが、極真は5年はかかると言われているくらい昔から厳しいと有名です。

日々の稽古を休まずどれだけ、追い込んでやれるか問われているのです。

空手が強いのは、当然なのですが、道場生の良き見本でかつ信頼・信用してもらえる人間性が無いと受審させてもらえません。

極真空手の黒帯はそれくらい、威厳があるものなのです。

黒帯取得を目標にして、さらに上を目指して人生修行して頂けたらと思います。

少しでも参考になれば幸いです。

押忍

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